観音様へのお供え膳

ご供物 食に祝う

福圓寺の祝いの食 御斎と餅と福梅

福圓寺 餡入りの名物 福餅

当寺では寺内と檀家の女性陣の皆様のにぎやかなご参加によって供物も美しく用意されています。
新しきものは取りいれ、よろしき伝統は絶えることなく伝えるのも仏事の体脈です。
自然の恵みへの感謝をささやかに表し、食物を美しく配膳する時間は、仏様に大切にお供えする緊張感、仏事が紡いできた食の祝い、食に心を吹き込む大切な行であり、丹精こもる女性の手に生まれ、口に運ばれる大切な当寺の勤修ともいえます。

お斎(おとき)のお給仕

ながらく福圓寺では精進料理のお斎(とき)を始め、おこもりのお仕出しなどが、昔より途切れること無く、女性陣に伝えられて参りました。代々の婦人会のお勤めの賜物であります。
お斎は、聖光殿の阿弥陀如来さまの仏前で皆様に振舞われます。仏事のおりに、食のありがたさ、豊かさを皆で分けあい心と体をあたたむる楽しき儀式です。

檀家衆 女性陣

おときを頂く風景

福圓寺 思い出話

おこげの味

前村 月見剛

おときの準備

福圓寺が当時(伊方犬星)に移って今年で50年になると聞かされ、月日のたつのは早いもんだなあと感じる私です。
以前、前村にあった寺境内での思い出が懐かしく思いだされてきます。
方丈様始め、悪友とよく遊んだ幼き日々、メンコ、パッチンなど、ある時は夏みかんの大木にぶらさがり、枝を折って先代方丈様(26世秀逸上人)に叱られた記憶など、この頃のようであります。
また、今だに忘れる事の出来ない一つは、おこげ(おときの時に炊くご飯のこげたところ)の味です。戦前戦中の頃、お寺で法要があるたびに、隣の桑野のおばあちゃんや亡き母の帰りを待ちわびたものでした。お土産にもらって来るおこげは、大釜で松葉や落ち葉を燃やして炊いたものだったそうです。当時は物がなく、私達にとってはただ1つのおやつでした。兄弟で分けあって食べたものです。その味ときたら、かたさといい、塩かげんといい、今時のオカキを食べているようななんとも言えないおいしい物でした。
今、五十数年前を思う時、お寺とのご縁の深かった私自身幸せものだったと感慨無量な気持ちになります。(略)

お念仏とまなび

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